イベントレポート:5/7(木) withコロナを生き抜く経営戦略#1「リモートワークにおける組織マネジメント」

この度GOING・GOING・LOCALでは、弊社事業に参画する各分野の専門家の皆様の知識や経験を日本全国の中小企業経営者の皆様へお届けするために、オンラインセミナー「withコロナを生き抜く経営戦略」を開始しました。

5/7(木)、その第一回目として株式会社オズビジョンの執行役員 事業推進部長 松田 光憲さんをゲストにお迎えして「リモートワークにおける組織マネジメント」を実施しました。今回は、その様子をご紹介します。

◾︎今回のイベント登壇者プロフィール
松田 光憲(まつだ みつのり)
1977年生まれ。千葉県船橋市出身。中小企業診断士、MBA in Innovation Management。
大学卒業後、システムエンジニアからスタートしたキャリアが、上場準備を契機に管理部門へシフト。その後2社で2度のIPOを経験。IPO に向けての体制構築を主業務とし、人事・労務制度の見直しや規程全般の制定、J-SOX(IT統制担当)の整備を行い上場。前職の株式会社はてなでは人事・総務部長として、社員が東京・京都で半数ずつ働くリモートが当たり前な組織の組織開発をはじめ、人事・総務・法務全般を管掌。社会人大学院の修了に合わせて組織開発の実践の場を求め、『ティール組織』に日本企業で唯一紹介された株式会社オズビジョンに参画。オズビジョンでは、執行役員 事業推進部長としてバックオフィス全般を管掌しつつ、ワクワクした組織づくりを担当。その他複数社にて人事・組織領域全般の支援を行う。趣味は組織と人に関する探求。尊敬する人物は大門未知子。

事前に参加者に質問していた聞きたいテーマに沿ってスタート

今回のイベントは、参加申し込み時に参加者の皆さんに「聞きたいテーマ」についてアンケートをとっていたため、そのテーマに沿って松田様が参加者の皆様とインタラクティブにお話をしていくスタイルで進められていきました。

参加者への事前アンケートの結果、参加者の関心が高いテーマは上にも記されてる通り、3つです。

・リモートでの組織文化の作り方
・どうすればコミュニケーションが活性化するのか
・リモートでの評価をどうするか

松田様はこれまでの経験に加えて、実際にこのコロナ禍の2か月で社内で様々な取り組みをされていたそうです。そこで、それぞれのテーマに対して、その成功・失敗の理由を合わせてお話いただきました。今、まさにこのテーマに課題を抱えている参加者の方々からは頻繁に質問が出て、活発に会話が行われていました。
まさにWithコロナを生き抜くために重要なお話ばかりでしたが、下記には、その中でも私が印象に残った点をまとめていきたいと思います。

組織を助けてくれるのは、クレドを基準に採用した炭火人材

セミナーを通して印象に残ったことは、今回のように組織が大変な危機に直面した際に力を発揮する「炭火人材」という存在です。炭火人材とはなにかというと、「炭火のように逆境の中でも火が消えず、じわじわ燃え続けてくれる、組織にとっては重要な存在」となる人たちのこと。この方たちが、いまのコロナ禍のような逆境の中で、組織を支えるのだそうです。

では、そのような人たちをどのようにしたら採用できるのでしょうか?
松田様曰く、クレドを基準とした組織の価値観に共感して入社した人たちは、炭火人材として活躍してくれる方が多いとのこと。だから、クレドは採用の軸として重要なのだそうです。

実際にオズビジョンでは、社員同士で時間をかけて話し合ってクレドを作り、作ったクレドは採用で用いられているそうです。組織の心強い力になってくれるような炭火人材を採用するうえでも、組織文化(クレド)が重要だというのは印象的でした。

離れていることで生まれる課題に、どれだけすばやく対応できるか

また、松田様のお話を聴き、リモートワークになった際「生まれた課題にどれだけすばやく対応できるか」が重要だと感じました。例えばオズビジョンでは社員から出たリモートワークでの課題に対して、社員が快適に仕事ができるように、初期のうちから以下のような対策を打ったそうです。

・自宅でリモートワークをするための環境が整っていない(ネットワーク、机椅子がない等)
 ➡︎リモートワーク整備金の支給、光熱費の補助等

・子供の面倒を見るのが大変で仕事がしづらい
 ➡︎土日に勤務し、平日に休む働き方を許可

・チームを超えたコミュニケーションが激減した
 ➡︎情報伝達手段を目的ごとに整える、トレーナーの資格を持つ社員によるオンラインヨガの開催等

これらの施策を通して社員の働く環境を改善することで社員の満足度が上がったそうです。緊急事態宣言直後は社会全体で慣れない環境に戸惑いを感じていたこともあり、社員の不安を早めに捉えて解消する対策を打つオズビジョン社の対策は、社員から会社への信頼が高まったのではないかと感じ、このお話から初動の大切さを実感しました。

グループワークに分かれてディスカッション

途中、「リモート評価で困ることはなにか?どのような課題があるのか?」をテーマに、グループに分かれてディスカッションを行いました。グループワーク中は、「リモートワークにおいては過程がみえづらいため、評価が難しい」「対面では温度感が伝わらず、商談等で相手の考えていることが分かりづらい」等の課題が挙げられました。

その中でも特に「リモートワークでの評価はどうするか」という課題に対して、松田様は「プロセスではなく、結果のみを見る」「ただ、目標設定にはとても時間をかける」とお話されていて、今までの仕事方法が当たり前ではなくなると同時に、それに対する対策(目標面談時間を確保するなど)の必要性を感じました。

イベントを終えて

チャットで気軽に質問したり、中にはミュートを解除して質問するなど、たくさんの質問が飛び交い、松田様の答えからどんどん質問が深まっていくなど、一方的な情報提供ではなく、インタラクティブにコミュニケーションが取れていて、中身の濃いイベントとなりました。

また、GOING・GOING・LOCAL初めてのオンラインイベントでしたが、東京以外の様々な地域から参加してくださる方も多くオンラインならではの良さも活きており、新しい可能性を感じた時間でした。なお、当日の様子は以下の動画からもご覧いただけます。

中神 早紀

中神 早紀 (クリエイター)

国際教養大学を卒業。大学時代リトアニアに交換留学し多様な国出身の留学生と関わりを持ち、豊かな個性を持つ人々に出会う。帰国後、日本と海外の豊かな資源を持つ人同士がつながる世界の可能性を見出す。語学のほかにツールを手に入れたいと思いIT企業に入社。システムエンジニアとして勤務。趣味で始めたカメラで、カメラを通して世界を切り取ることの面白さに夢中になり、これが知らない世界を伝える手立てになると気がつく。2019年10月トレジャーフットの一員となり、豊かな資源を持つ人同士が繋がることによって生まれる創造の可能性を広げていきたいと思い、活動中。

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