橋を架けるひと:Going・Going・Local代表田中祐樹

「ゴゴロはどんな人たちが運営しているの?」
「メンバーの人たちはどんな想いでゴゴロを運営しているの?」
と、疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
ということで、今回から一人ずつに分けゴゴロ運営チームにインタビューを行っていきたいと思います。
第一回目は、ゴゴロ創立メンバーであり、株式会社トレジャーフットの創立者でもある田中祐樹さんです。
田中さんのプロフィールはこちらです。

田中祐樹(たなかゆうき)
大学で地域政策を学ぶ。
株式会社セプテーニに入社。ウェブマーケティングの力をつけ、その力をローカルで生かしたいと思い沖縄の株式会社パムにて勤務。地域密着メディアを運営し、株式会社パムローカルメディア代表取締役社長に就任。地域課題の解決のため、奔走。
その後東京にて、株式会社ベネフィット・ワンに勤務。サービス開発部 部長代理、兼、新規事業開発の責任者を務める。
2018年、地域課題解決を目的に独立。株式会社トレジャーフッ トを設立。Going・Going・Localを2019年2月にサービス開始。地域課題解決のため、副業人材とのマッチングサービスを運営

ーーはじめに、ゴゴロは「”複業”という新しいスタイルで、会社の成長を加速させ、地域をより元気に」をテーマにしていますが、田中さんはなぜ「複業×ローカル」にフォーカスを当てたのですか?

僕は地方って素晴らしいなと思ってるんです。
自分は東京に住んでまだ3年半で、その他は東京以外の地方で仕事をしてきました。
もちろん東京も素晴らしいんですけれど、「住みたいところ(地方)で思いっきり働く」っていう世界もあったらいいなぁと思って、「地方で働きたい」とか「地方に住みたい」っていう人をつなぐことができたらいいなと考えました。

日本は今、人口減少を背に受けて、多様化しないといけないという切実な現実があります。
そんな中ちょうどいま、働き方改革で働き方が変わってきていますよね。
これを好機ととらえて、ビジネスとしてマッチングできないかなと思ったんです。
そして、新しい働き方(複業)する人を地方に運ぶというのでつながりました。

こういう新しい働き方の人と地域の企業をつなぐプラットフォームってまだないんですよね。
仕事の物理的なことを表現してのマッチングするという従来のものではなくて、新しい働き方でどういう地域でどういう暮らし方がしたいかということを含めて、関わりを持っていける人口を増やしていきたいと思って始めました。

ーーご自身も沖縄で働いていたとお聞きしましたが、そういう経験からも刺激を得たんでしょうか?

そうですね。
一回ローカルベンチャーの経営をやったことあって、それは「地域にために働く」という仕事ですごく楽しいことだったんですよね。
地域ではたらいて思ったのが、競合するプレイヤーいっぱいいるところで競争する商売をするよりも、競合するプレイヤーがいないところで新しいことに挑戦したいなぁと。

たとえ話ですけど、「橋を架けるという仕事」を受託するときに東京だったら競合する企業たちがいて
・軽い橋
・デザインがいい橋
・歩いていて疲れない橋
という橋のかけ方を提案して、競争するじゃないですか。

自分が働いていた沖縄とか地方だと、橋を架ける人がいままで誰もいなかったから、競合する企業がいないので「そもそもその橋を架けれるか?」というところからはじまるんです。
誰もやる人がいないけど、その橋が架かったら例えば1000人くらいが得するってなったら、そういう仕事って僕にとってすごいやりがいがあるんです。
人と違うことをやって価値を発揮していきたいと思うんですよね。

そういう仕事がしたくて都心で普通に求人媒体するよりも、ローカルと副業というのをマッチングしたら、いまその橋はまだかかっていないから、僕が橋を架けようと思いました。
それでゴゴロを創ったんです。

地域×複業って、マーケットがまだなくて、稼ぐのも難しいから、参入のレベルが高いんです。
正社員を人材紹介したほうが、企業にとっては効率が良い。だからこそ、まだビジネスが成立していない。
でも、あったほうがいいですよね。だからやる、という感じです。
「住みたいところで思いっきり働く」とかそういう理想像を持っている人に届けたいと思っています。

ーーそうだったんですね。ゴゴロを創った背景には、田中さんのどんな想いがあったんですか?

沖縄で一回事業をやったことがあるんですが、そのときに沖縄だけでなく日本全体で「人口減少」っていう同じ悩みを抱えている人っていっぱいいるなと思ったんですよね。
現在、日本は人口減少で労働人口が減ってきており、多くの地域では人材に関して課題を抱えてします。だから、沖縄だけじゃなく他の地域にもアプローチしたいと思いました。
というわけで、ざっくりいうと「日本を元気にしたい!」と思い、地域社会の問題を解決するツールを創りたいと思って始めました。

いまは「日本を良くしたい」という想いで、新しい働き方の人と日本の地方を元気にしたいと思っています。
東京にずっと住みたいってそんなにみんな思ってないじゃないですか。逆に地方って限界集落と言われているのにそこに住む人いないですよね。
だから、きっかけは副業からでいいからもっと地方とかかわる人が増えたらいいなと思っています。
目標は、「地域社会の問題を解決し、日本を元気にする」です。

ーー0から1をつく過程では、大変なこともあるかと思います。そんな中で、田中さんの原動力となっているものはなんですか?

「不条理をなくしたい」という気持ちですかね。僕は不条理嫌いなので、不条理をなくしたくなるんです。
人口減少によって維持できなくなるものって、避けては通れないことで、不条理だなとおもっていて。

働くっていうことは自分の人生の時間を使うということだから、「どういうことに熱中して人生の時間を使いたいか?」と考えたときに、人口減少ってそれ自体は悪いことではないんですけど、少なくともそれで維持できなくなるものがいっぱいあって、そういうところになにか合理的な解決策やサービスを生み出せたらたのしいなと思ったんです。そういう時間の使い方をしたい。

いま自分の経験でできることは、いま東京に住んでいて、東京で副業が解禁された人と出会う機会がたくさんあるし、自分は地方が好きで出張行くのも楽しい(笑)それで、地方の中小企業の人とマッチングさせたらいいなと思ってやっています。

それに、まだ見たことない良いものを見たいんですよね。0から1を創り出すのが好きなんです。合理的な解決をできたらうれしいなと思っています。

ーーゴゴロを運営してきて約一年たちましたよね。ゴゴロが始まってからのこの一年の中で、田中さんの心に残っている経験はなんですか?

金長特殊製紙さんでの仕事ですかね。
(ゴゴロメンバーの)辻が社員になって、一発目の受注だったんです。

金長特種製紙株式会社の事例紹介はこちら

海外からの発注がきたりもして、お客さんにも喜んでいただけました。
お客さんが自らのFBで「頼んでよかった!」って紹介もしてくれて。それがとてもうれしかったですね。

ーー最後に、ゴゴロの今後の目標、計画などを教えてください。

今後は、複業だけではなく、シニアの方の活躍の場の提供や、新しい働き方とローカルを組み合わせたりして、事業の幅を広げていきたいと思っています。
まだ誰もやったことがないことだからこそ挑戦して、よいものを創っていきたいと思っています。

<インタビュー後記>
今回のインタビューでは、「地域社会の問題を解決し、日本を元気にする」というビジョンに向かい、歩みを進めていくゴゴロの源泉となる田中さんの想いを感じました。
「あったほうがいいから」、「そのほうが楽しいから」と行動を起こす田中さんは、どっしりとしているようで軽やかです。まっすぐに未来を見つめる目線が印象的でした。
田中さん、貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました。
(2019年10月8日時点)

中神 早紀

中神 早紀 (クリエイター)

国際教養大学を卒業。大学時代リトアニアに交換留学し多様な国出身の留学生と関わりを持ち、豊かな個性を持つ人々に出会う。帰国後、日本と海外の豊かな資源を持つ人同士がつながる世界の可能性を見出す。語学のほかにツールを手に入れたいと思いIT企業に入社。システムエンジニアとして勤務。趣味で始めたカメラで、カメラを通して世界を切り取ることの面白さに夢中になり、これが知らない世界を伝える手立てになると気がつく。2019年10月トレジャーフットの一員となり、豊かな資源を持つ人同士が繋がることによって生まれる創造の可能性を広げていきたいと思い、活動中。

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